物件選び

不動産投資における利回りの最低ラインは何%?本当に利益が出る計算とは?

不動産投資において利回りはとても重要な指標になります。

当然利回りが低いと収益も低くなってくるのですが、
一概にそうとも言えないのが不動産投資の面白いところです。

この記事では不動産投資における利回りの最低ラインと、
本当に利益を残せる物件の選ぶ方についてご紹介します。

  • 利回りの最低ラインって何%なの?
  • 利回りって高い方がいいのでは?
  • 利回りが高すぎるのは危険なの?

といった疑問を解消できるでしょう。

この記事を読み終えた頃には、
収益物件を選ぶ力を他の人よりもワンランクアップさせることができますよ。

不動産投資で物件を選ぶ際に、利回りと同じくらい重要な3つの項目

まずはじめに確認しておきますが、不動産投資における利回りとは、
年間における収入を物件の販売価格で割ったものになります。

利回り(年間利回り)=年間収入÷購入価格

例えば、年間の家賃収入が360万円だとして、販売価格が1800万円だとしたら、

360万円÷1800万円=20%

といった計算になります。

年間の家賃収入を、物件の販売価格で単純に割ったものは『表面利回り』と呼ばれます。

ただ、毎月管理費などの経費がかかったり、
物件の購入時に仲介手数料などを支払うため、実際はもう少し利回りはダウンします。

この諸経費などを差し引いて利回りを計算したものを『実質利回り』と言います。

この辺は色んなところで解説されていると思いますので、ご存知かもしれませんね。

物件を選ぶ際に大切になってくるのは、
こういった表面利回りや実質利回りだけではありません。

その他にも、不動産投資で物件を選ぶ際に重要な項目が主に3つあります。

  1. 築年数と構造
  2. 融資の期間
  3. 金利

物件を選ぶ際は、利回りの他にこの3つを確認することからスタートします。

利回り+3つの項目=4つの項目を確認して、
利益が出ないと判断した場合は、ほとんどのケースで”買い”ではないでしょう。

(1)築年数と構造

築年数と構造

売りに出ている物件の築年数と構造は、
物件を購入するにあたって非常に重要な指標になります。

どんなに利回りが高くても、
木造で築50年以上のボロッボロの物件だったら、
リフォーム代がかかったり、入居づけも難しくなってしまいますよね。

利回りを見たあとは、築年数が何年で、どんな構造なのかをしっかりと見ましょう。

では、なぜ築年数と構造を見る必要があるのでしょうか?

それは、築年数と構造で融資の期間などが決まったりするからです。

物件の構造には、大きく分けて3つあります。

  1. 鉄筋コンクリート造(RC造)
  2. 鉄骨造(S造)
  3. 木造

本当はもう少し細かくありますが、ここではこの3つに分けさせていただきます。

この物件の造りによって、『耐用年数』というものが法律で定められています。

  • 鉄筋コンクリート造(RC造)・・・47年
  • 鉄骨造(S造)・・・34年
  • 木造・・・22年

実は、この耐用年数を参考にして、融資の期間を設定するケースが多いんです。

例えば、木造の新築アパートでしたら22年とか25年の融資期間になったりします。

築20年経過した鉄骨造(S造)でしたら、15年〜20年の融資期間になります。

ただこれは参考にする程度でしかありませんので、
実際のケースは借主の属性や物件の所在地、銀行の裁量などによってバラバラです。

私は築30年の軽量鉄骨という造りの物件に対して、
15年のオーバーローンが出ているので、一概には言えません。

ただ、築年数が古いと、融資期間も短くなる傾向にあります。

もちろん築年数が浅くて、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)でしたら、
融資期間も長くなる可能性があります。

まずは、この築年数と構造によって、
融資の期間が変わってくるということを覚えておきましょう。

(2)融資の期間

融資の期間

先ほどの、築年数や物件の構造などを参考に、融資の期間が定められます。

この融資の期間が不動産投資の成功のカギとなっているといっても過言ではありません!

それくらい融資の期間というのは大切になってきます。

実際に例をあげて考えてみましょう。

【Aパターン】

3000万円・築25年・鉄骨造アパートが利回り15%で売りに出ていたとします。

利回りが15%ですので、年間収入は450万円になります。

年間収入が450万円ですので、月々の収入は約37万円です。(経費は考えず)

この物件に対して、3000万円・10年・金利2%のローンを組んだとします。

そうすると、月々の返済は約27万円になりますので、

37万円ー27万円=10万円の手取り収入になります。

このケースでは、融資の期間が10年でしたが、20年で計算してみるとこうなります。

【Bパターン】

同じ物件に対して、3000万円・20年・金利2%のローンを組みます。

そうすると、月々の返済は約15万円になりますので、

37万円ー15万円=22万円の手取り収入になります。

融資の期間が20年に伸びただけで、月々の手取りが12万円も変わってくるんです。

融資10年のAパターンですと、年間のキャッシュが120万円程度ですが、
融資20年のBパターンですと、年間のキャッシュが264万円になります。

Bパターンは2年で500万円以上貯金できる計算になります。

500万円の貯金があれば、さらに良い条件で融資を組むことができ、
不動産を買い増しできるスピードも上がってきて、
どんどん不動産を増やすことができます。

もちろん、融資が短ければ返済している割合も多いので良いという考え方もあります。

しかし、不動産投資初期の頃で大切なのはキャッシュフローです。

いかに月々の手取りを多くできるかが大切なポイントになってきます。

しかも、融資の期間が長い場合は短くすることができます。繰り上げ返済もできます。

ですが、融資の期間が短い場合は基本的には長くすることはできません。

できるだけ融資の期間が長くとれる物件を考慮して、物件を選ぶといいです。

 

さらに違うパターンも検証してみましょう。
今度は物件の詳細や融資の期間、利回りもバラバラで考えてみます。

【A物件】

販売価格8000万円・利回り10%・築27年・S造

年間収入800万円(月々収入66万円)

融資期間20年・金利2%

月々の返済40万円

毎月66万円ー40万円=手取り26万円

【B物件】

販売価格2500万円・利回り16%・築34年・木造

年間収入400万円(月々収入33万円)

融資期間10年・金利2%

月々の返済23万円

毎月33万円ー23万円=手取り10万円

利回りだけを見るとB物件の方が良さそうですが、
融資の期間が違うので、実際の手取りはA物件の方が多くなるんです。

これを見てもわかるとおり、利回りだけを参考にしてもあまり意味がないということです。

ですので、

「利回り何%だったらいいですか?」

という質問に関しては、

「物件の販売価格や築年数、構造、融資の期間などによって、
月々の手取りが大きく変わってくるので、なんとも言えない」

というのが正直なところです。

利回りが高くても、融資期間などの条件によっては、
利回りが低い物件の方が手取りが多いということも十分に考えられます。

物件を選ぶ際は、この物件だったらこのくらいの融資期間は見込めるかなぁ
といった想定を立てて、物件を選ぶといいですよ。

金利

金利

築年数や構造、融資の期間を想定して、さらに金利までも考慮しなければなりません。

いくら利回りがよくて、融資期間も十分に取れる物件だとしても、
金利が高すぎるとキャッシュフローが少なくなってしまいます。

実際に例を見てみましょう。

【A物件】

販売価格4000万円・利回り15%・築24年・木造

年間収入600万円(月々収入50万円)

融資期間15年・金利2%

月々の返済26万円

毎月50万円ー26万円=手取り24万円

この条件で購入することができれば、結構いい物件だと思います。

ただ、こういう物件は楽待などのサイトに出る前に売れてしまうんで、
早い者勝ちになってしまうことが多いです。

では、金利が4.5%だったらどうなるでしょうか?

【B物件】

販売価格4000万円・利回り15%・築24年・木造

年間収入600万円(月々収入50万円)

融資期間15年・金利4.5%

月々の返済31万円

毎月50万円ー31万円=手取り19万円

このように、金利が2.5%違うだけで、月々の手取りが5万円程変わってくるんです。

こう見ると結構大きな金額ですよね!

普通のサラリーマンで月5万円給料増やすのがどれだけ大変か…。

ということで、融資を組む際は、融資の期間だけでなく、
どれくらいの金利で融資を組めるかどうかも考えないといけないのです。

不動産投資を始めるときは利回り以外にも確認するべき項目が実はたくさんある

不動産投資で確認するべき項目

ここまでは、不動産投資を始めて「よし、物件を選ぶぞ!」という段階で、
利回り以外に確認するべき3つの項目についてご紹介しました。

3つの項目とは、

  1. 築年数と構造
  2. 融資の期間
  3. 金利

でしたね。

まずは利回りの他にこの3つを確認することで、
その物件がどれくらいの収益性があるのかをだいたい予測することができます。

ただ、実際に不動産を選ぶ際は、もっとたくさん確認することがあります。

  • 販売価格
  • 利回り
  • 築年数
  • 構造
  • 融資期間
  • 金利
  • 賃貸需要
  • 駐車場の有無
  • 家賃相場
  • ライバル物件
  • 経費の見込み
  • リフォームの必要性
  • 物件が壊れていないか

などといった細かいところまで調べる必要があります。

ですが、全ての条件をクリアできる物件はほとんどありません。

まずは、今回ご紹介した利回り以外の3項目をクリアできるかどうかを確認して、
そこから細かいところの条件をクリアできるかどうかを確認することが大切です。

まずは、楽待や健美屋などの収益物件の情報サイトから物件情報を見て、

「利回りは12%だけど、築年数と構造は○○だから、
融資期間は○○年くらいで、金利は○%くらいになりそうだなぁ〜。」

と予想を立ててみるといいです。

そうすると、実際に手元に残るお金をシミュレーションできるようになります。

これを繰り返しているうちに物件を見る力が養われ、
本当に収益が見込める物件を選べるようになりますよ。

ぜひあなたも本当に儲かる物件を選んで、
まずはキャッシュフローが出る物件を手に入れてくださいね。

それでは、また!

不動産投資で手取り月30万円の家賃収入を得るために必要な計算をしました。こんにちは。大辻です。(@haruhito_otsuji) 今回は不動産投資で月30万円の手取りを実現する方法をご紹介します。 ...
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大辻 春人(おおつじ はるひと)
一部上場の製薬会社に勤めながら不動産投資を始め、中古アパート4棟、新築アパート1棟を所有し、専業大家になる。現在は不動産投資を続けながらも、一人でも多くの人に充実した人生を送ってもらいたいと願い、不動産投資だけでなく、人生全体をサポートするための情報を発信中。            →詳しいプロフィールはこちら      \ フォローしてね♪ /
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